無窮の心配症「SDガンダム三国伝」第35話感想

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主人公であるはずの劉備の影の薄さと、活躍、見せ場、良い所無しなのが段々不憫になってきました。自分の贔屓している曹操、関羽の出番と見せ場の多さは素直に嬉しいのですが、主人公が主人公してくれないと変なストレスが堪ります。劉備さん超頑張れ。

袁紹はてっきり玉璽に取り込まれているのかと思っていたのですが、玉璽対策をしていて魂を取り込まれてはいない様でした。でも逆にそれがショックでした。てっきり玉璽によって暗黒面に堕ちたからああなのかと思っていたのに・・・。まあ助けを請う弟も利用価値が無いと見ると、荒野に放り出すくらいですから、元々シビアな性格なのは間違いないのですが。董卓はボスとしての器の無い小悪党っぽさが嫌でしたが、袁紹は大物っぽくはあるものの、ここまで救い様がない悪役されてもそれはそれで微妙に気持ちが悪いというか。

赤兎馬と戯れる貂蝉にとても萌える。可愛過ぎるっ！そりゃ呂布も辛抱堪らんだろうさ。貂蝉、本当に可愛いなあ。清楚で可憐で健気で一途で強気で清純で高貴で残忍で・・・様々な要素が絶妙にバランス良くキャラ造形をなしていて素晴らしいなあ。

張遼は公孫瓚を汚い方法で嵌め殺した袁紹に対して激しい憤りを感じつつ、呂布の様子を窺います。袁紹を許す事は出来ない。しかし、袁紹を裏切るという事は今は袁紹の配下として戦う呂布を裏切る事になる・・・張遼も苦しい立場です。

劉備はとにかく若さに突っ走る。気合いと根性で全部乗り切るぜ！って何だか思考が小学生男子みたいだな・・・。劉備は飽く迄「俺は皆と同じ高さで物を見る」という思想の持ち主の様で「家臣にして下さい」という趙雲に「家臣には出来ない。袁紹を倒すにはもっと強い絆が必要だ」と述べて「お前は（改めて家臣にしてくれと頼むまでもなく）俺達の仲間だ！」と告げます。劉備はそれで良いと思うのです。劉備は人々の上に立ち支配するというやり方ではなく、皆と同じところに立ち、皆と同じものを見るというスタンスで。

しかし3人で100万の兵に突っ込んで行くのは流石に無茶が過ぎる気もしますが、公孫瓚の兄貴と違って主人公補正が何とかしてくれるので大丈夫でしょう。

公孫瓚が死んだという知らせに衝撃を受ける関羽さん。そりゃあそうでしょう。劉備の公孫瓚の力になりたいという願いを叶えるために、曹操に援軍を頼む交換条件として、曹操の覇道に助力するという不本意な条件への苦渋の決断を下したにも拘わらず、それが無意味になってしまった訳ですから。

張遼が曹操軍に降る件は凄く良かったです。あっさりと張遼を仲間入りさせるのではなく、軍師や武将達に「今まで敵だった奴を簡単に信じられる訳がない」と、一度仲間入りを否定させるというワンクッションを置いた上で、曹操が「自分の力になるのなら、過去にこだわらない」と言って張遼を受け入れる度量と眼識を見せつけるという演出に大変痺れました。

そして「呂布と戦えるなら、武将としてむしろ本望！」という張遼にも痺れました。男前だー。尊敬しているからこそ、刀を交えたいという男の闘争本能に激燃えですよ。張遼に取って呂布って凄く複雑な存在だったんでしょうね。尊敬して憧れて着き従って、命を掛けても良い存在で、でもだからこそ戦ってみたいという。

呂布に着き従ってその命を散らすであろう高順、陳宮も侠なら、敢えて自分の正義に従い公孫瓚への義理を通し、呂布に刃を向ける張遼も侠だなぁ。呂布対張遼が物凄く楽しみで、凄く不安です。

ちょっと前に「呂布退場させた方がいいんじゃないか？」と書いておいてなんですが、いざ本当に退場しそうな気配になったら、なんだか急に寂しくなってきました。最近ちょっと鬱陶しかったけど、私は矢張り呂布が好きです。「三国伝」にハマったのって呂布と曹操と関羽が切っ掛けみたいなものでしたしね。